「家系スープ炒飯」家系スープの再現を目指す

今回の炒飯には自信があります!

家系というには程遠いできでしたが、かなりうまいです。
旨いものと旨いものとを組み合わせ、より高みを目指すという発想ですが、炒飯とラーメンの融合は中々よいのではないでしょうか…..?

比較的長めの記事になってしまいましたが、面倒であれば太字と赤字のところだけを読んでください。

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目次

1、家系のスープに挑戦して知ったこと
2、ラーメンではなくて炒飯であること
3、「家系チャーハン」レシピ
4、食べた感想
5、これからの炒飯に活かせそうな発見

このレシピを参考にしようか迷う方はレシピと感想を読んでみて下さい!

1、家系のスープに挑戦して知ったこと

そもそも「家系ラーメン」というものを詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
「ラーメン 分類」などのワードで検索してみると、その細かな分類の多さや、修行先が重視されるラーメンの世界に驚かれるでしょう。

その中でも「家系」と呼ばれる系統のラーメンは結構人気があります。皆さんが知っているラーメン店で、名前に「~家」という名がついたラーメン屋は基本的に家系ラーメンだと思います。
さて、そんな家系ラーメンの特徴は
(しっかりした定義はありませんが)
・豚、鶏ダシの濃厚ダブルスープ
・醤油タレ
・鶏油
・海苔、ほうれん草
・焼き豚
・太いストレート麺
という感じではないでしょうか?(反論ありそうですが)

ちなみに、醤油タレの多さ(=濃さ)、鶏油の多さ、麺の硬さをお好みで注文できるのも家系の特徴です。
これらの特徴をシンプルに再現し、太いストレート麺を、塩気を抑えた炒飯で置き換えてみましょう。
さて、やっとスープ作りです。

「家系」のスープを作ろうとした時、もっとも難しく、完成度を左右しそうな工程は、
鶏・豚の濃厚ダブルスープ
を作る部分かと思います。
(鶏油は前回の記事、チャーシューは二郎系チャーハンのところで書いたレシピです。醤油タレは、煮詰めて作ってみたりしましたが、いまいちよく分からなかったので今回はないがしろにしておきます。)
鶏油の作り方→
鶏油で炒める炒飯はちゃんとうまいのか?
チャーシューの作り方→
「二郎系チャーハン」



今回使った食材は、鶏ガラ、豚骨、長ネギです。
シンプルに作ることで何がどんな味になるのかを調べてみます。
(モミジとか背脂、豚足にんにく、しょうがなどなしでよくラーメンを語れるな!という方、ごめんさい)
大まかな流れは、
①鶏ガラ、豚骨の血を抜く
②アクとり
③臭みを消しにネギを加え煮込む

とします。

①鶏ガラ、豚骨の血を抜く
動物のダシを取る際獣臭さを残さないという作業は、慣れない方が多いのではないでしょうか。
私もそうなのですが、ダシと言えば、コンソメスープの素とか鶏ガラスープの素を使い、肉を食べるときは、きちんと加工されたしかも臭みの少ない部位を食べています。

ですが下処理をしていない鶏ガラや豚骨をそのまま煮込んでしまうと、おいしいダシは取れません。
「鶏ガラ 下処理」「豚骨 下処理」などで調べれは出てきますが、下処理の工程は何段階もあり、こだわればかなり時間がかかりますが、それなりに結果もついてきます。

(あと写真がグロテスクになりがちですので、嫌な人は最後の方までスクロールしてください)
今回は鶏ガラに内臓がくっ付いていなかったので、まずは血抜きから始めます。(たまたま内臓がつていませんでしたが、普通はついていると思います。というか今回は見過ごしていた気がします。よくチェックしてとった方がいいと思います。)

鶏ガラ、豚骨を水に浸します。(それぞれ別の容器・鍋で)
それにより浸透圧の関係で血が抜け、また汚れが浮いてきます。この工程はかかれていないことが多いですが、簡単なのでやってみました。
・30分くらい放置しておくと水の色が赤っぽく濁り、汚れも浮いてきましたので、必要かどうかは別として、効果はあると思います。
・鶏ガラをはさみとかで解体し、内臓がついていないか、あればきちんと取り除くべきでした。

②アク取り
これが一番大切だと思います。アク取りをこまめにせず、まとめてしようなどと考えていると、一度表面に浮いてきたアクが水に溶けてしまうのです。
特に豚から出るアクはすごい量で、とってもとっても出てくるのため、いつ終わるのかわからないという作業はやめたくなってしまいます。

ですが頑張りましょう。段々量が減ってくるのは確かです。
鶏ガラの場合は、沸騰したお湯に30秒ほどいれて取り出しました。
表面は白っぽくなったものの「意味あるのか?」と思いつつやりました。これにより、不要なたんぱく質(血など)が高温で固まり、よりきれいになるみたいです。
さっと茹でた後、骨などの表面についた黒っぽい汚れなどを取っていきます。
次は豚骨も同じよう、沸騰したお湯にいれます。

ただ鶏ガラと違うのは、茹でる時間です。豚骨はアクの量が圧倒的に多いので、今回は30分茹でました。アクがすごい量でるので、浮いているものをすくって取り除く作業を繰り返しました。
30分たち、その煮汁はすべて捨てます。私も勿体ないと思ったのですが、少し味見をしてみると、あーいらないかなと思いまいした。アクをとりつつも、水に溶けてしまう量も多いようです。
今回どこかのレシピを見て30分の下茹でをしたわけですが、結果としてこのあと茹でたときにも結構な量のアクがでてしまいました。

30分はあくまで目安であり、黒っぽいアクが出なくなるってから下茹でをやめればよかったなーと思いました。
(これは目指す味により、豚骨の量、出てくるアクの量、茹で時間を考えたほうがよさそうです。茹で時間を変えて試してみない事には、下茹でどのくらい豚の美味しいエキスが放出されているのか分かりませんので。)

鶏ガラ同様、骨などの表面についた黒っぽい汚れなどを取っていきます。
・浮いてきたアクは時間が経つと水に溶けるため、頻繁にアクとりしないとダメです。
・鶏ガラの下茹ではあまり効果を実感できないが、理論上は必要です。
・骨などの表面についた黒っぽい汚れなどを取る場合は、水につけたり、流水で流しながらやった方がよく取れるみたいです。隅々までさぼらないことが重要です。
・豚の下茹では、時間よりも黒っぽいアクが出なくなるまで茹でることが大事な気がしました。目安は30分くらいでいいと思いますが。

③臭みを消しにネギを加え煮込む
これに時間をかけました。たまたま見たレシピに8時間煮込むと、乳化した粘性のある濃厚なスープになると書いてあったので、とりあえず8時間水をつぎ足しながらグツグツと煮込みました。
アクが結構出てきたので、その都度取り除きます。

今回は鶏ガラ、豚骨、長ネギを同時に一緒にいれ、ぎりぎりまで水を注ぎ火を付けました。
火加減は表面がグツグツと泡で膨らむくらいにしました。沸騰のさせ具合により、濃厚さ、透明度が変わるようで、
強火ほどこってりと不透明で、沸騰するかしないかくらいだと上品で澄んだ色のスープが作れるらいいです。

ただ、本来家系のラーメンは鶏と豚は別で茹でるとされいるというレシピを何個かみました。
また、鶏ガラは2,3時間以上煮込むと香りが飛んでしまうそうです。濃厚な家系のスープは長時間煮込むのが正解かと思いますが、正解かは分かりません。
それとネギを入れるタイミングも早かったように思います。臭みを抜くなら、仕上げの20分程度煮込めば十分で、それ以上の加熱は逆に美味しくない(臭い?)成分がでてしまうと聞いたことがあります。

野菜を煮込む時間も検討が必要そうです。
また、豚骨はトンカチやペンチ、のこぎりで骨を砕いてから煮込んだ方がいいみたいです。
私の場合、袋にいれトンカチでたたいてみたのですが、少し陥没しただけで、さらにペンチで挟んでみたのですが割ることはできませんでした。

あきらめてそのままいれ煮込んでいると、3時間後くらいに
「骨も柔らかくなってる!」と気が付き、細かく割りました。
骨の中の髄の部分がスープに溶けると、より濃厚な仕上がりになるのそうで、黒っぽい髄の部分が骨の中から溶け、空になっているのが豚骨スープの濃厚さを測る1つの目安のようです。
・アクはまだでるので、ちゃんと取ります。
・ネギは仕上げの20分前くらいに入れたほうが上品な味になりそうな気がします。
・強めに沸騰してる方が、よりこってりした仕上がりになるそうです。
・煮込む前にばらせなかったものの、時間が経てば柔らかくなりました。
・豚骨の骨の中の黒い部分も、徐々に溶けていきます(8時間でも溶け切りませんでしたが)

2、ラーメンではなくて炒飯であること

ここまででかなりの文量を書いてしまっているので、この節はさらっと書きたいと思います。
ラーメンのスープをなぜ、炒飯にかけてみようと思ったかといいますと、
「私は旨い炒飯が食べたいのではなく、旨いものが食べたいんだ!」
と思ったからです。

今までは、炒飯と言えばパラパラで香ばしく、餡かけか、またま具を工夫して美味しくしていくものと思っていましたが、その考えを取っ払ってみました。
そうして考えたとき、一番貪欲に”旨さ”を求めているジャンルは、ラーメンであると思いました。
体に悪いことも気にせず、脂に塩分に糖質を大量に使い、またラーメンと一緒にご飯を注文できたり、硬さ、濃さ、脂の多さなんかも調節できます。

圧倒的な専門店の多さもあり、本当に美味しい店だけが残る仕組みも”旨い”を求める進化にもつながると思います。
まあつまりは私がラーメンを食べたいということで、また炒飯も好きなので、それを合わせてより美味しければそれがベストなのです。

炒飯じゃなくて、ただの白飯の方がいいのでは?
と思うかもしれません。スープの味、炒飯の味とで、複雑な味になりすぎてしまい、結果として美味しさが相殺されてしまうかと思いました。
が、炒飯には炒飯でしかない特徴があり、それをシンプルに仕上げれば、炒飯の特徴を持ち、かつ汎用性の高い白飯や麺、パンのように食べられるのではないかと考えました。

以上のことから、今回ラーメンのスープに合わせるべく作る炒飯は、
・香ばしく(高温でしっかりと)
・パラッパラ(触感固め、米同士がくっついていない)
・塩気薄め(スープがあるので)
・ぼやっとしない味(卵の白身をつかわず、黄身だけで炒める)

としました。

こういった、他との調和を図る炒飯が成功すれば、美味しさの可能性がさらに広がりますね…!!
それではレシピです。

3、レシピ

——-作り方——-
材料
<ラーメン用炒飯>
ご飯:0.5合
卵黄:1個
塩:0.8g
白コショウ:0.3g
キャノーラ油:大さじ1
<簡易型家系スープ>
鶏ガラ:1羽
豚骨:1本? (写真参照)
長ネギ:20cm
鶏油:小さじ2 鶏油で炒める炒飯はちゃんとうまいのか?
煮詰めた醤油:小さじ2 (濃い口醤油小さじ3を弱火で煮詰め、軽く沸騰させたらすぐ火から離したもの)
海苔:2枚
ほうれん草:大きめの葉3枚
チャーシュー:2枚 「二郎系チャーハン」
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豚骨や鶏ガラは意外と安く、スーパーの肉コーナーの端の方?にある冷凍の棚に100円とか200円とかで売っています。今回のレシピで高い材料というと、チャーシュー、鶏油(鶏皮)、ほうれん草あたりで、スープ自体は時間はかかりますがお金はそれほどかかりません。ガス代はくいますが。。。
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手順
<ラーメン用炒飯>
①鍋を空焼きする
②煙がたってきたら、油をいれ鍋に馴染ませる
③鍋の底の油の溜まった部分に卵黄をいれる
④すぐに火が通るので、手早くご飯を投入する
⑤卵にご飯をぐいぐい押し付けるようにご飯を軽くほぐし、ひっくり返したりして全体となじませる
⑥全体がパラパラになるまでお玉の背で米の塊をたたいたり、全体を広げたりを繰り返す
⑦パラッとしてきたら、塩・白コショウをムラが出来ないように全体に振る
⑧鍋全体にご飯を広げたりして、よく加熱する
⑨コショウの香りが強くなったら火をとめ茶碗に盛る
⑩完成!
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<簡易型家系スープ>
①鶏ガラ、豚骨を水につける
②30分後、水をすてる
③沸騰したお湯に、鶏ガラは30秒、豚骨は30分アクをとりながら茹でる
④ざるにあけ、表面の汚れ(いらなさそうな部分)を指で取り除く
⑤鶏ガラ、豚骨、長ネギを鍋に入れ、ひたひたになるまで水を注ぐ
⑥軽く沸騰する状態を維持し、水が減ってきたらつぎ足し、アクが出てきたら取り除く
⑦更に鶏油をいれレンジで溶かし、煮詰めた醤油を加える
⑧ほうれん草を沸騰した塩水でさっと茹で、すぐに水にさらし余熱で火が通るのを防ぐ
⑨ほうれん草をかたくしぼる
⑩鶏ガラ、豚骨、長ネギを煮を8時間くらい込み、最初の半分くらいの水の量になったら火を止め、ざるにあける
⑪120mlの鶏・豚のダブルスープを更に注ぎ、茶碗に盛っていた炒飯を入れる
⑫海苔、ほうれん草、チャーシューをトッピングする
⑬完成!!!!!!!
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鶏油を溶かすのを忘れてました。まあスープの熱で溶けるのですが。。。

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4、食べた感想(良いとこも悪いとこも)

・とてもうまい。脂っこさ、しょっぱさ、炒飯の硬めの触感と香ばしさが良い感じ
・ほうれん草がくどさを緩和し、苦味がアクセントとなり飽きずに食べられる。もっと量欲しかった
・獣臭さがあり、苦手な人はきついかも
・黄身だけて炒めるのは正解だった。米だけという感じがいい
・チャーシューはもっと控えめでよかった。薄切りであまりメインではない方がいい
・味の素など化学調味料をいれても良かった
・スープはやはり店の味には遠く及ばなかった。鶏ガラと豚骨、ネギだけではあの味に近づけることは無理そう (もみじ、背ガラ、にんにく、しょうがくらいは欲しい)

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5、これからの炒飯に活かせそうな発見

・今回作った単品用ではない炒飯はそれなりで、炒飯というアイデンティティーがあった
・スープ作りはまだまだ課題があるが、とりあえずアク取り、具材の種類を増やすことがお店の味に近づくには必要だと思う
・チャーシューはデカけりゃいいもんでもないし、ほうれん草はこってりスープには必要(飾りではない)
時間をかけることよりも、下処理、具材の種類を増やすとより完成度が高まりそう

最後まで読んでいただきありがとうございます!
長々と書いてしまいましたが、今まで作った中ではトップクラスに美味しい料理だったと思います。
ラーメン的アプローチは手ごたえがあるのでこれからも続けていきます。
次の記事も是非読んでください!!
関連記事:濃厚 「鶏油と醤油と飴色玉ねぎの餡掛け炒飯」

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