鶏油で炒める炒飯はちゃんとうまいのか

前回はネギ油について検証し、炒め油としての効果は薄いと結論しました。

ですがどんな油をつかおうと仕上がりに変化はないわけではありません。
偶然ネギの香りは高温で飛んでしまうだけであり、油の種類の違いは様々な炒飯を演出します。

オリーブオイル、ココナッツオイル、ラード、牛脂などなど沢山種類のある油の中から今回は、
鶏油
について取り上げます。

中華の本格レシピや、香りづけ用に仕上げに加えるという使われ方で良く紹介されている鶏油ですが、炒飯においてはどんな活躍をするのでしょう?
鶏油の抽出方法からレシピまで、感想を交えてご紹介していきます!
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レシピだけ知りたい方は3、「鶏油炒飯」レシピだけ読んでいただければOKです

1、鶏油をとる2つの方法

さて、今回は鶏油を使った炒飯を作っていくわけですが、そもそも鶏油…?という方も多いのではないでしょうか。

ラード(豚の脂)も牛脂もスーパーでよく見かけるので比較的身近かもしれませんが、鶏油はあまり日常に馴染んではいない気がします。
ネットや業務用スーパーで売ってたりするのでまあ手に入るのですが、せっかくなので今回は自家製の鶏油を作ってみましょう。
鶏油は割と安く作れる割に、汎用性が高いので便利ですし、作り方は鶏を加熱したときにでる油を集ればいいだけです。

そしてその集め方は大きく2種類ありまして、茹でる方法と、直接炒める方法があり、2つの方法があるからには、やはりそれぞれ短所、長所を持っています。

——茹でて鶏油を取る方法——
<長所>
・高温で加熱しすぎると風味が飛ぶが、水で加熱するため高温になりすぎることがない。
・味?(風味?)に雑味が少なく、完成度が高い。(油が酸化しにくいためと、油だけ水に浮くから?)
<短所>
・取れる量が少ない。(お湯に溶けてしまう)
・茹でた水を瓶などにいれ冷まし、水の上に固まった油を取り出して使うという手間がかかる
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——直接炒める方法——
<長所>
・短時間でとれる
・出てきた油を直接瓶などに移すだけでいい
<短所>
・油が跳ねる
・焦げたりしないようある程度見張っていなけらばいけない

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という特徴があります。

私としては、総合的にみて量を集められるメリットが大きいと思うため、「直接炒める方法」をおすすめします。(こっちの方が一般的です)

鶏油は鶏から出る油であれば何でもいいですが、鶏皮を買うと安くてたくさん油がでるので便利でしょう。他には、もも肉や手羽先の皮をはいで炒めて、鶏油を集める場合もありますが、基本的には鶏皮そのものを買った方が効率的です。
鶏油を取った後の鶏皮は良いつまみになります。
茹でても、カリカリに炒めても、どっちでも美味しいです。(鶏皮ポン酢とか)



2、ついでに試したこと(卵に水を加える・量を倍にして作る・塩の振り方)

今回は欲張り気味に色々実験してみました。これは鶏油とは全く関係のない要素です。
鶏油の効果を純粋に知るためには、油以外の要素はいつもと同じにしなければなりませんが、試したいことがいっぱいあるのに対し、お金と健康と満腹中枢が有限なので、そこは許してほしいです。

ということで、今回試したことは、
⑴卵に少量水を加える
⑵炒飯の量を倍にして作る
⑶塩を均一に振る

とどうなるのか?どうすればいいのか?ということに関してです。

⑴卵に少量水を加える
卵に水を加えることで何を狙っているのかというと、卵焼き(だし巻き卵)のようになることです。
水分が増えることでふわりと柔らかくなり、また焦げにくくなるため鮮やかな黄色、マイルドな味わいとなるはずです

更に、水を加えてやることで”卵の香り”がひき立つらしく、「良いことだらけじゃないか。」ということで、今回は卵1個に対して大さじ1の水を加えてみて、本当にいいことだらけなのか検証します。
(炒飯において卵はご飯をパラパラにする面で欠かせませんが、卵の香り、色、味わいという面でもとても重要です。私が炒飯を作る際はご飯と卵をうまく混ぜ合わせることで手いっぱいで、香りや卵の色、炒め加減による味わいまで計算して作れてません。
そこまで計算するためには、油の温度や、炒め時間、火の通りを均一にする技術を磨かなければなりませんが、水を加えるというテクニックで技術が無くても香りや色が良い感じになるなら嬉しいですね・・・!)

(炒飯の作り方について、卵に水を入れると良いとホームページで紹介されていた方に聞いてみたところ、火の通りがゆっくりになるのと、仕上がりがふわっとなるとおっしゃっていました。それ以前に私が卵に水をいれて作ってみたときは、水が多すぎてベちゃついてしまいましたが、その方のレシピでは卵2個に対し大さじ1の水を加えていました。その通りに作ると全く違和感なく仕上がりました。今回はちょっと増やしてみて、 卵:水=1:1 の割合で作ります。)

⑵炒飯の量を倍にして作る
私は普段、0.5合のお米、卵1個、小さじ4の油で炒飯を作っています。
パラパラ炒飯を作るコツを調べると、水分を極力加えないだったり、米を硬く炊く、と書いてあります。

炒飯を作り始めたときはそれらのルールを守って作っていたのですが、いつしかかなりテキトウに作っても、そこそこパラパラに仕上がることに気が付きました。
「液体調味料でも水分の多い野菜でも全然使えるじゃん」と大雑把に炒飯を作ってもパラパラになりましたが、何人かの友人に炒飯をふるまおうとすると、どうもパラパラに作れませんでした。油や調味料、具は人数に合わせて倍数で増やしているのに、なぜうまくいかないのか考えた結果、理由は一度に作る量が多くなったからだと気が付きました。

よく炒飯は1人前だけを作るとうまくいくと言われます。まさにその通りで、友人に振舞うためにご飯1合、2合いっぺんに作るとうまくパラパラならず、更には塩気のムラや、焦げ付きが生まれやすくなります。

1人前を作るときは量が少ないので簡単にパラパラに作れていましたが、量が増えると技術力がいることが分かったので、今回はいつもの倍の米1合分の炒飯を作り、技術向上について考えてみます。

⑶塩を均一に振る
具材に対し、均一に塩を振るというのは難しいことのようです。
例えば、和食の料理人は魚の塩焼きを作るときに、指先につまんだ塩を高めからサラサラと振り数センチの等間隔で塩が落ちる技術を持っているそうです。(1cm間隔とかだったような)
この塩の間隔を自在に操るには数年を費やすような技術らしく、それほどに塩を均一に振るということは難しいようです。

炒飯を作るときにはそこまでの精度は必要ありませんが、それでもご飯の1部分だけが塩をかけてしまうと味のムラの原因になります。炒飯においてもある程度の均一に塩を振らないと、しょっぱい部分と薄味な部分が出来てしまいますので、何かいい方法が欲しいところです。(大量に作った時により顕著にムラが発生します)

今までは、電子ばかりの上に小さじ・大さじのスプーンを乗せ、更にその上に塩を乗せて計量し、スプーンを左右に振ることで炒飯に塩をかけていました。
理想は指で均一に高いところから和食の料理人の様に塩を振ることですが、それでは塩の量を細かく計量できない(計量したものをつまめば出来る?)ので塩をより均一に振る方法を、炒飯を煽りながらにします。

3、レシピ

それでは実際に鶏油を使った炒飯を作っていきます!

材料

ご飯:1合
卵:2個
醤油(濃い口):小さじ1
塩:2.0g
白コショウ:0.5g
キャノーラ油:小さじ7
長ねぎ:10cm
鶏皮:100gあれば足りる
水:大さじ2

——-作り方——-
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①鶏皮を1cm角くらいに切る (切らずに炒めると、皮が丸まってしまい鍋に触れない部分が増えます)
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②焦げ付かないよう表面が加工された鍋に鶏皮をいれ、弱火にする
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③カリカリになり脂が出きった感じになったら裏返したり、まだ脂が出そうな部分があった場合は箸などで押し付ける
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④全体がカリカリになったら脂のみをビンなどの耐熱性のある入れ物にうつす
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⑤ネギをみじん切りにする

⑥卵2個を皿におとし、水大さじ2をいれて溶く

⑦鍋を空焼きする

⑧煙がたってきたら、作った鶏油をすくい(常温で固まるので)、鍋に馴染ませる
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⑨鍋の底の油の溜まった部分に溶いた卵をいれる

⑩卵が油を吸い、生のところが半熟になるように、お玉やしゃもじで卵を転がすイメージで手早く全体を半熟にする

⑪ご飯をその上に投入する
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⑫卵にご飯をぐいぐい押し付けるようにご飯を軽くほぐし、ひっくり返したりして全体をコーティングさせる (半熟の卵でご飯をコーティングするイメージ)

⑬ムラなくほぐれるまでほぐしながら炒める

⑭パラッとしてきたら、塩・白コショウを少し振り、鍋をあおり、また少し振るのを3~4回行う (少し高めからふる。風があるとコショウが流されやすいので注意)
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⑮ネギをいれ、火から離さないよう意識しながら、混ぜたりあおったりして全体を加熱する
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⑯炒飯に香りをまとわせるため、醤油小さじ1を鍋肌からシュワッと回しいれる
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⑰手早く2・3回あおる

⑱皿に盛る

⑲完成!

4、食べた感想(良いとこも悪いとこも)

・鶏油を加熱し始めたときは鶏肉の香りがするが、加熱が続くとほのかに香る程度になる

・鶏らしい香りより、コクや旨味のような味の厚みが鶏油とがサラダ油の特徴的な違いだった。ラードよりはあっさりとしているが、コッテリした仕上がりになる

・鶏油を使う際(ラードもそうですが)、ネギを軽く炒めて臭みを抜くという手法があるが、何もしなくても特に獣っぽい臭みは感じなかった

1合のご飯を炒めたことでパラパラ感は落ちた。やはりご飯の量を増やすと火の通りや、油と卵で米粒をまんべんなくコーティングするのが難しくなる。

・水を卵に加えておくと、確かに一気に焼ける感じはなくゆっくり固まっているように見えた。水分を含んでふわふわになっているかは分からないが、色はきれいだと思う

・塩のムラの違いは特に感じなかったが、そもそも対照実験として違いが微妙すぎてわかりにくい。塩を乗せておいたスプーンが小めだと小刻みに左右に振り、少量ずつ塩を落としやすいが、加減を間違ると一気に塩が落ちてしまう。大き目のスプーンだと左右に小刻みに振りにくいが、力加減を間違って一気に塩が落ちてしまう危険性が少ない様に思われ、一長一短だと感じた

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5、これからの炒飯に活かせそうな発見

鶏油の鶏っぽい香りを活かすなら仕上げに加えるべきで、鶏油のコッテリした味の厚みを活かしたいのであれば炒め油に使うとよさそう

・卵に水を入れる方法は一気に凝固しないため時間的にのんびり作れるメリットがあるが、もともと温度を下げておけばいい気もする。水の量を変えたり、油の温度を変えて実験してみないと分からないことが多い。またいつか検証したい。

・炒飯を炒める技術を磨くなら、多めの量でしっかりパラパラに仕上げる練習方法があると思う

・塩の振り方による違いを実感するには、今回のような条件では分かりにくい。もっと量を一気に作る場合だと、味のムラが出来るか否かが分かりやすいと思う。

鶏油で炒飯を作ることで味に厚みが出て確かにちゃんと美味いかった。が、香りも活かしたいのであれば炒め油としてだけではなく仕上げのタイミングで(醤油やごま油、酒を加えるタイミング)少量加えると効果的

最後まで読んでいただきありがとうございます!香りのする油を高温で長いこと炒めるとやはり香り成分が少しずつ減ってしまうことが分かりました。
次の記事もまた鶏油を使います。ぜひぜひ
関連記事:「香りをつけた炒め油は炒飯の出来上がりに影響をあたえるか?」

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