「飴色玉ねぎ餡かけ炒飯」洋食的な味付け

前回の記事では、甘い味付け、小麦粉で柔らか食感を目指しました。
今回はその「甘味」「小麦粉」について、もう少し応用を効かせてみます。

タイトルの通り邪道要素盛りだくさんな炒飯を作ってみました。
美味いかというとあれですが、可能性を広げる意味での挑戦です。

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目次

1、蜂蜜ご飯、飴色玉ねぎで甘味付け
2、小麦粉で餡掛けを作る
3、「飴色玉葱小麦粉ラム酒餡掛けはちみつ炒飯」レシピ
4、食べた感想
5、これからの炒飯に活かせそうな発見

このレシピを参考にしようか迷う方はレシピと感想を読んでみて下さい!

1、蜂蜜ご飯、飴色玉ねぎで甘味付け

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前回作った炒飯では、卵に”砂糖”を加え甘味をつけましたが、今回は蜂蜜、玉ねぎの糖分を利用します。
さて、ハチミツ、玉ねぎで甘味を加えると言いましたが、特にハチミツに違和感を感じるのではないでしょうか。パラパラと塩と胡椒の効いた炒飯と、甘くねっとりとしたハチミツは確かにアンバランスです。

ではどのタイミングで、どのようにいれるのか?といいますと、米を炊くタイミングで、水と一緒にいれようと思います。
この、”ハチミツの炊き込みご飯”というアイデアは、炊き込みご飯を色々調べてた時に見つけたものなのですが、調べてみるとそれなりに記事数がありました。ので、そこまでゲテモノな食べ方ではないと判断し作ってみました。

「はちみつ ご飯」で検索すると詳しくでてきますが、はちみつを水にいれてご飯を炊くと、甘みが増すのはもちろんのこと、ご飯の保湿力も増しもちもちご飯になると書いてあります。
炒飯を作るのに良いのかは分かりませんが、物は試しです。
次に”飴色玉ねぎ”についてですが、これは玉ねぎをじっくり弱火で、飴色(茶色。べっこ飴系の)になるまで炒めたものです。飴色玉ねぎとは何かというと、”作り方”とか、”カラメル化”とか調べると沢山でてきますが、簡単に言うと辛味と水分が抜け、甘味が濃縮された玉ねぎです。よくカレーに使われたりします。
カラメル化とは、糖分の(アミノ酸はいらないらしい)加熱により褐色に色づく現象です。以前、「挽肉炒飯」カリカリに炒めた挽肉を炒飯に!で軽く触れた、メイラード反応も糖により褐色となる現象ですが別物です。)
飴色玉ねぎの作り方は色々あり、基本的には40分とか時間がかかるものですが、時短レシピも多くあります。

私の場合、時短よりも焦げないように見続けることが面倒なので、水を加える方法を採用しています。 (私が悪いのか、普通に作ると焦げそうになりすぎて面倒くさいです。油が少ないのでしょうか。分からないので水入れる方法を利用してます)
玉ねぎをみじん切りにし(ムラなく加熱されるため)、油をひき(ちゃんとひかないと焦げてしまいます。油なしレシピもありますが、あった方が作りやすいと思います。)、弱火にかけます(中火と書いてるレシピが多いですが、タイミングを逃すとすぐに焦げてしまうので私は最初から最後まで弱火の方がいいと思ってます)。

ある程度水分が飛び、玉ねぎが鍋にくっつき始めたところで、玉ねぎが浸らないくらいの水をいれ全体をかき回します。 (水をいれることで、加熱温度が100℃を超えないため焦げにくくなる

水が蒸発して再び鍋にくっつき始めたら、水を同じくらいいれかき混ぜる、という手順を繰り返します。30~40分くらいで飴色になると思います。
(これはあくまで私の感覚的やり方であって、あまり効率的、科学的でないと思います。始めて飴色玉ねぎを作ってみるという方は、一度検索して色々なレシピを見ておくことをおすすめします)

またラム酒は風味づけになんとなくいれました。甘いお菓子の香りづけに使われることが多いので、今回の甘い炒飯にもあうかもなーという思い付きです。
(ラム酒はお菓子などによく使われるお酒で、サトウキビを原料とした蒸留酒です。
甘い感じがするので糖分を結構含んでるのかなと思ったのですが、ほとんど入ってないみたいです。ラムレーズンとか、アイスにラム酒かけてるやつがメジャーな使い方でしょうか。)



2、小麦粉で餡掛けを作る

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普通、餡かけは、鶏ガラなどでダシをとったスープに水溶き片栗粉でとろみをつけたものをいいます。
そのメリットは、味が美味しいのはもちろん、炒飯に対し蓋の役目をするので冷めにくく、また餡かけそのものもとろみがつくことで冷めにくくなるそうです。
また、ただスープをかけただけでは炒飯に染みてしまいますが、とろみがついていることにより、パラパラとした触感が保たれます

そんな高機能な餡かけを小麦粉を使ってアレンジしてみました
シチューをルーから作ったことがある方はわかると思いますが、小麦粉を水で伸ばしていくことにより、とろみがつきます。グラタンなんかも小麦粉を使っていますね。
水溶き片栗粉を使ったときのような強い粘性はありませんが、それなりにトロトロと粘性があります。
ご飯の上にカレーをかけても皿の底のご飯が白いままであるように、小麦粉で作った餡かけで炒飯がびちゃびちゃにはならないでしょう。

しかし粘性が弱くなるだけで、片栗粉の劣化版のような小麦粉を使いあえて餡かけを作る必要はあるのか?と思われるかもしれません。弱い粘性であれば水溶き片栗粉の量を減らせば同じ効果がありそうです。
今回、なぜ小麦粉を使って餡かけを作るのか。理由として考えているのは、
・片栗粉にない、小麦粉ならではの味、香りを活かす
・ルーを作る要領で小麦粉を使い、水溶き片栗粉をつかうより簡単にとろみをつける

という予想をがあるからです。

作ってみれば分かるのですが、小麦粉をスープでのばすと、まろやかな風味がつきます(どなんの成分の影響かは知らないのですが、なんかまろやかになります。ちなみに小麦粉はうまみ成分が多く含まれてます)。優しい餡かけを作りたいときには小麦粉の方が適任かもしれません。
”・水溶き片栗粉より簡単”ということについては、「小麦粉の方がだまになりやすくない?」という方もいらっしゃるかと思います。今回いう簡単とは、小麦粉の方は時間をかければ失敗しないという意味です。ダマになりやすさは片栗粉より上かもしれません。

「水溶き片栗粉は、仕上げにとろみを見ながら量を調節できるのがいいんだ!」
という方もいらっしゃると思います。確かにその通りなのですが、小麦粉でとろみをつける場合は、煮詰めたりスープを足すことで慎重にとろみに修正を加えることが出来るメリットがあります。
ではでは、予想ばかりしていてもつまらないので、実際に作ってみましょう!
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とろみ付けについて少し検索してみると、とろみ剤というものについて色々出てきました。その中の片栗粉を主成分とした第一世代というとろみ剤は、あまり優れたものではないそうです。
その理由としてあげられていたのが、
・ダマができやすい
・温度が下がることなどにより粘性が下がる
・白濁する
(いれて一気にかき混ぜるとより白濁してしまうようです。全体に入れ、5秒くらい待ってからかき混ぜるのがいいそう。)
・唾液によりデンプンが分解され、粘性が下がり、甘みを感じてしまう
という欠点です。

第三世代と呼ばれるとろみ剤が良いらしく、使ってみたいと思いました。
これらの欠点を見て一番気になったのが、甘みを感じてしまうという項目で、これはかなり重大な特徴だな感じました。小麦粉では甘みは感じないはず(少なくともデンプンによる甘みはないはず)なので、片栗粉か小麦粉かを選ぶ際のポイントになるでしょう。

小麦粉でとろみをつけるとマイルドになりすぎるため、辛い餡かけには向かない
と書こうかなと思ったのですが、激辛麻婆豆腐のようなものであっても、片栗粉でとろみがつけられています。片栗粉のでんぷんは唾液により甘みを感じるはずなので、むしろその辛さと甘さのバランスが優れた料理となっているのかなと思いました。むしろ小麦粉でとろみをつけて、辛いとか酸っぱいなどの刺激的な餡かけもありなのではないでしょうか
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3、「飴色玉葱小麦粉ラム酒餡掛けはちみつ炒飯」レシピ

——-作り方——-
材料
<炒飯>
ご飯:0.5合 (写真は2合)
卵黄:1コ
塩:1.2g
白コショウ:0.3g
濃い口醤油:小さじ1/2
ごま油:小さじ1/2
キャノーラ油:小さじ4
はちみつ:0.8g  (写真は2合に対し3g)
<餡かけ>
玉ねぎ:小さじ1/2
ラム酒(ラムダーク):小さじ1/2
創味シャンタン:小さじ1/2
濃い口醤油:小さじ1/2
小麦粉(薄力粉):大さじ1
卵白:1コ
キャノーラ油:大さじ1
水:150ml、適量

手順

<炒飯>
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①米0.5合に対し、はちみつ0.8gを加え、米を炊く

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②卵を卵黄と卵白に分ける

③鍋を空焼きする

④煙がたってきたら、油をいれ鍋に馴染ませる
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⑤鍋の底の油の溜まった部分に卵黄をいれる

⑥すぐにご飯を投入し、卵にぐいぐい押し付けるように塊をほぐしたり、ひっくり返したりしてムラなく卵でコーティングする (卵黄は焦げやすい、と言うかまったく焦げなかったことはないです。頑張って混ぜましょう)
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⑦全体がパラパラになるまでお玉の背で米の塊をたたいたり、全体を広げたりを繰り返す
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⑧パラッとしてきたら、塩・白コショウをムラが出来ないように全体に振る
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⑨鍋全体に炒飯を広げたりして、しっかり火を通す

⑩醤油、ごま油を加え、3回くらいあおる
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⑪皿に盛る
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<餡かけ>
①玉ねぎをみじん切りする
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②油をひき、弱火で玉ねぎを炒める
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③玉ねぎが少し鍋にくっついてきたら、玉ねぎが浸るかぎりぎりの量の水を加える
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④煮詰め、水分が飛んでまたくっ付いてきたら、全体をかき混ぜまた水をいれる
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⑤飴色(茶色)になるまで30~40分くらい煮詰める
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⑥鍋に飴色玉ねぎがくっつき、水分が飛んだら火を止める

⑦小麦粉を玉ねぎにだまにならないようかける (ザルなどを使ってふるうとよりだまになりにくい)
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⑧弱火で炒め、玉ねぎに小麦粉をなじませる
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⑨水150mlを加える (できれば数回に分けていれる)
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⑩中火にし、創味シャンタン、醤油小さじ1/2を加え溶かす
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⑪とろみがつくまで中火で煮詰める (1~2分くらい)
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ラム酒を加え、香りを付ける (しっかりアルコールを飛ばさないと香りが強すぎる気がします)
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⑬白身を加え、10秒くらいしたらかきまぜる
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⑭沸騰したら火を止める (すぐに火を止めないと香りが飛び、白身が固まりすぎちゃう)

⑮炒飯にかける

⑯完成!!!

4、食べた感想(良いとこも悪いとこも)

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・そこまで甘みは気にならなかった。甘い炒飯はあり。でも飴色玉ねぎは濃厚で甘みが強いためくどかった
・やっぱ黄身だけで炒めたからちょっと焦げた。結果的に香ばしくなった。焦げる直前くらいがベスト?
・香りはすごい複雑で洋食というよりは本格中華っぽい香り

ハチミツご飯は普通に美味い。違和感はない。甘みと粘り気の強い米という感じ
・小麦粉だけでなく玉ねぎのトロトロ感が餡かけらしさを出してる
・半熟の白身とトロトロな玉ねぎがあう
・優しい感じの仕上がりにしたいなら、小麦粉でとろみ付けあり。(普段食べている餡かけ炒飯という経験則からか、とろみの弱さに違和感は感じましたが)
・餡かけはインパクトにかけ、また飴色玉ねぎは食べ続けると飽きる。お酢とかいれてもいいかも
・ラム酒の香りはするが、マッチはしてない。ただ違和感もないのでもっと工夫すれば活かせるかも

5、これからの炒飯に活かせそうな発見

小麦粉で餡かけは、片栗粉よりまろやかな味付けに向いてる。場合によって使い分けてく
・ラム酒はなんとも言えなかった。他の香りとのバランスを工夫(醤油を焦がし気味にした香ばしさと合わせるとか)すれば炒飯にあうかも
・ハチミツご飯は美味しい。粘性が強い調味料はパラパラ炒飯に使うのは難しいため、使うなら今回のハチミツのように炊くときに水に混ぜるとそこまで粘りが気にならずに全体に味付け出来る
甘い炒飯はそもそもご飯とか甘いので飴色玉ねぎが多すぎたくらいで特に違和感はなかった。小麦粉でとろみづけは有効な手段で、味によって片栗粉と使い分けると良さそう。

最後まで読んでいただきありがとうございます!
甘い炒飯を意識しましたが、そもそも炒飯は甘さもあるのであるレベルを超えない限り違和感なく美味いのでしょう
小麦粉、片栗粉でとろみをつけるのにはそれぞれメリット・デメリットがあるので、それぞれの特性をもっと調べようと思います。とろみ剤とか使ってみたいですね。
次回の記事は、このブログ史上最もミスった炒飯です(炒飯か微妙ですが)。参考にはならないと思いますがお暇があれば読んでみて下さい!
関連記事:「ふわふわ甘い炒飯」卵を生地っぽくしてみる

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